
「畳に布団で寝るとなんだか痒い」
「布団を変えても刺されてしまう」
「和室にくると咳やくしゃみが出て目がかゆい」
畳の部屋でお布団を敷いて寝たときに、ダニアレルギーの症状が出てせき込んだり、朝痒くなったりとダニ被害に悩んだ経験は多いんじゃないでしょうか。
私も古い畳の上にウッドカーペットを敷いているので、定期的な掃除とダニシートが欠かせません。
畳はダニが繁殖しやすいと言われることも多いですが、実際にはどうなのか対策方法と合わせて解説していきます。
コチラの記事でわかること
- 畳はダニが繁殖しやすいのかどうか
- 繁殖する理由と仕組み
- 駆除と予防方法
ダニの増えやすさは畳の素材と古さで変わってくる

ダニが増えやすいかどうかは、使われている素材の種類と使用年数の古さで違います。
畳だから増えやすいとは言い切れません。
一昔前までは、畳と言えば藁(わら)素材でした。
この藁素材というものは非常にダニがわきやすい環境なので、その経験や流行が「畳はダニが増えやすい」という一般常識になっていたのかもしれません。
さらにやっかいなのが使用年数が経過して古くなると畳の状態がどんどん変わっていくので、ダニの種類や増え方が変わってくるのです。
畳の状態とダニの増えやすさをまとめると次のようになります。
畳の素材 | 湿度 | ダニの住処 | ダニのエサ | 繁殖しやすさ |
---|---|---|---|---|
新しい藁床畳(天然素材) | 高い | 多い | 少ない | 高い |
古い藁床畳(天然素材) | 低い | 多い | 多い | 高い |
化学畳(ボード畳) | 低い | 少ない | 少ない | 低い |
新しい藁床畳は畳表もイ草で出来ていて天然素材が多いので、生息できるダニの種類も数も増える傾向にあります。
保有している湿気も多くダニにとって格好の住処なので、現在の住環境だとすぐに「ツメダニ」が繁殖して刺される被害が増えてしまいます。
新築の畳だからといって、なにも対処しないのは危険です。
古い藁床畳は経年変化で徐々に乾燥していて湿気を好むダニは減少しますが、エサは豊富にあるので乾燥に強い「チリダニ」が繁殖しやすくダニアレルギー被害が圧倒的に多いです。
化学畳(ボード畳)は基本的にダニが発生しづらく、居てもほとんどが畳表面にいる「チリダニ」です。
ダニが生息できるのも畳表(表面)のイ草部分だけなので、奥に入り込める隙間がなく過分な湿気やホコリが溜まらないかぎりはダニ被害は多くありません。
最近は化学畳の材質が一般的なので、畳にダニがわきやすいということはありません。
ですが、住宅構造的に湿気が逃げにくく温度も一定に保たれているのでダニの繁殖条件を満たしやすい環境があります。
畳にダニが繁殖しないようにメンテナンスはしっかりやっていきましょう!
.png)
お掃除をサボればどんな畳でもダニはわくんだよ
- 新しい藁床畳は部屋や畳の湿気を逃がす工夫をする
- 古い藁床畳は毎日のこまめな掃除が必要
- 化学畳でも過度な湿気やホコリは禁物
畳はダニの繁殖条件を満たしやすい構造

畳だけはないのですが、ダニが増える理由は単純に繁殖条件を満たすかどうかです。
そして、畳はダニの繁殖条件を満たしやすい構造なのでよくダニがわきやすいと言われてしまいます。
ダニは環境さえ整えば、どこでも増えるのでライフスタイルや住宅環境を見直してみましょう。
繁殖条件を知って、それをズラせば増えにくい環境になりますからね。
.png)
ダニの増える条件をしって、畳をまもろう
ダニが好む3つの条件

ダニの繁殖条件は大きく分けて3つあります。
- 湿度と温度が高いこと
- エサが豊富にあること
- 暗くて隠れる場所があること
ダニの種類によって必要な湿気や温度は違うんですが、おおよその範囲は決まっていて「温度20~30℃・湿度60~80%」です。
これは最近の住宅だと、ほぼ1年中この範囲に収まります。
人にとっても一番快適な温度ですからね。
エサに関しても、人のフケやアカ・食べこぼしやホコリなので、普通に生活していればどうしても出てきてしまうものなんです。
ダニの住処はエサや湿気を求めたり暗い場所に潜り卵を生むための場所です。
この奥へ奥へと潜り込む習性があるので、藁で出来ている畳はダニが繁殖しやすい構造になっています。
この3つの条件をできる限り排除することがダニ対策の鉄板なので、ライフスタイルや住宅環境を見直してみましょう!
畳のダニ対策は駆除・掃除・予防の3ステップ

畳のダニ対策も基本的な方針は、「駆除・掃除・予防」の3つを順番にやっていくことです。
ですが、畳のダニ駆除方法はあまり手段がないので一言にまとめると「徹底的に掃除をする」になります。
- 繁殖したダニを駆除 ※刺され対策
- アレルゲンとなる死骸やフンを除去 ※アレルギー対策
- 繁殖しづらい環境を維持 ※再発予防
「いやそんな掃除って正論言われても、もっと楽なのないの?」と思った貴方、ダニは甘くないのです。
すでに汚染された畳は、お金と体力と根性がなければ元に戻りません。
といってもいくつか比較的簡単にできる対策もご紹介していきますので、諦めずに挑戦です。
【STEP1】生きているダニを駆除する

まずは生きているダニを駆除しないと、刺され被害や繁殖を止められません。
ダニを徹底的に減らすことから始めましょう!
- ダニ対策グッズで駆除
- 徹底的に掃除機で吸う
- 乾燥と熱でダニを退治
- 最終手段で畳専門業者に頼む
ダニ駆除のグッズを使う
定番のダニ駆除商品を使って駆除する方法です。
それぞれに一長一短があるので、ご自宅の状況に合わせて選びましょう。
それでもどれがいいか判らない時は、とりあえず無難な置くだけのシートタイプを使えばOK。
即効性がない欠点はありますが、使いやすさと高い効果が期待できるのであまり時間と労力を割けない人にオススメです。
私はダニアレルギーとぜん息を患っているので、 【ダニ捕りロボ】 という置くだけのダニシートを使っています。
- 直接刺すタイプや噴射式の殺虫剤 ※即効性はあるがダニが逃げる可能性
- くん煙剤タイプの殺虫剤 ※全体に行き渡るが準備と片付けが大変
- 置くだけタイプのダニシート ※即効性がないが効果◎
- 防虫シート(紙タイプ)を敷く※即効性がなく価格が高いが効果◎
![]() | 防虫・防ダニ・防カビシート 6帖用 日本製 畳 押入れ ウッドカーペットの下に 防虫紙 防虫シート 防ダニシート 価格:4,620円 |

徹底的に掃除機で吸う
掃除機では生きたダニを吸えないとよく言われますが、徹底的に続けると徐々に減っていきます。
無限にいるんじゃないかと思いますが、湿気対策やダニシートと併用すると効果が高まります。
中でも最近主流の化学畳(ボード畳)はダニが潜り込む隙間が少ないので掃除機の効果が高いです。
諦めずに毎日じわじわとやつらを除去していきましょう!
- 畳の目に沿ってゆっくりとやさしく当てる
- 裏表・隙間のホコリをとる
- 1畳あたり30秒掛ける
- 目安は1週間毎日続ける
徹底的にというのは、畳を剥がして裏や隙間も全部掃除することです。
剥がしての掃除は一度しっかりやれば、あとは毎日表面をしっかり吸い取りましょう。
誰もがやろうと思ってもなかなかできない重労働ですが、一度ダニが減った環境にできればあとは維持するだけですし、ここは踏ん張りどころです!
熱と乾燥でダニを駆除する
ダニは熱と乾燥に弱いのを利用して駆除します。
ですが、畳に直接熱を加える方法は少なく、布団乾燥機や天日干しをすることくらいです。
この方法は確実に駆除できるとは限らないことと、駆除できるまで繰り返さないといけないので、やるときは大変な覚悟が必要・・・
なので、おすすめ度は低いです。
- 1畳づつ掛け布団を敷いて一緒に布団乾燥機にかける
- 目標温度は60℃以上
- 50℃までしか上がらない機種は20~30分
- 効果が感じられるまで数日続ける
- 春秋の湿度が低く天気が良い正午に4~5時間ほど日にあてる
- 裏面を太陽に向けるか黒い布で覆う
- 庭には直接おかずにブロックや空き缶を土台にする
- マンションならベランダにそのまま立てかける
確かにダニは60℃以上の高温に数分間さらされると死にますが、畳の内部まで高温にするのは難しいです。
低い温度の方へ逃げる習性もあるので、駆除よりも湿気を飛ばす手法としたほうが無難かもしれません。
【最終手段】畳専門の駆除業者に依頼
「どれのやり方もなんかピンとこないし面倒そう」というズボラーな人の最終手段は畳専門の駆除業者にお願いしましょう。
畳をまるごと巨大な乾燥機に入れて熱処理するので害虫すべてをほぼ100%除去できます。
ただし、費用がかなり高いのでもしかしたら取り替えたほうが早いかもしれません。
まずは畳の見積もりをしてよく相談してから決めましょう。
- 専門業者で完全熱処理してほぼ100%駆除
- 1畳あたりの予算が高い
- 輸送の関係上時間がかかる
- まずは見積もりから
【STEP2】ダニアレルギーの原因となる死骸やフンを除去

畳のダニを退治したら掃除機でダニに死骸やフンを除去します。
ダニを駆除しても、その死骸やフンは残っていてそれがダニアレルギーの原因になってしまいます。
すでに死んでいるので掃除機でも吸い取れますし、というかそれ以外に除去方法がないんですね。
- 畳の目に沿ってゆっくりとやさしく掃除機をかける
- 1畳あたり30秒が目安 ※一部屋5~10分
「あれ、さっきも掃除機掛けろとか言ってなかった?」と思うかもしれません。
はい、そうです。
畳のダニ対策で一番手っ取り早いのが、めちゃくちゃ掃除するなんですよ。
駆除とアレルゲンの除去両方できるので、畳を痛めない程度にゴリゴリかけてください。
常に清潔に保つことが何よりのダニ対策ということですね。
【STEP3】ダニ予防のために部屋を清潔に保つ

ダニの駆除、アレルゲンの除去が終わったら、それで対策は終わりじゃありません。
最後はダニが繁殖しづらい環境作りです。
これをしない人が一番多くて、結局また次の夏に大発生して、ひーひーいうことになるんです。
最初から予防しておけば、ダニに刺されることもダニアレルギーでしんどいことにもなりません。
快適な夏や秋を楽しむためにも予防しっかりやっておきましょう!
- 定期的な掃除で畳を清潔にする
- 湿度調整して過度な湿気を貯めない
.png)
1年中同じ室温湿度で快適にしてるならダニ対策もずっと続けないとダメだよ
畳を清潔に保つ
畳の上に落ちている人のフケやアカ、食べこぼしやホコリを取り除きダニにエサを与えないようにします。
なるべく飲食をしない場所としてしまうのもアリです。
- 定期的に掃除機を掛ける
- 目安は最低でも週に1度の頻度
- 継続できるダニ駆除シートを使う
- 秋から冬の季節も掃除を減らさない
お部屋の湿度調整
ダニは湿気をとても好むので、過度な湿度は厳禁です。
畳は良くも悪くも湿気を貯めこんでしまう性質があるので、うまく部屋の湿度をコントロールしてダニが増えにくい状態にしましょう。
特に秋冬は乾燥していると思ってなにもしないと、畳の中でダニが越冬してしまい翌夏には大繁殖ということがあるのでしっかりとた湿気対策が必要です、
- 畳部屋に湿度計を置く
- 常に湿度は50%前後を目指す
- エアコンや除湿機を使って上がった湿度を下げる
- 加湿器は畳部屋で使わない
- 冬場は乾燥空気を利用して正午に15~20分間窓を開けて換気
- 石油ストーブは使わない
- 窓や部屋隅の結露対策をする ※北向きの部屋は要注意
湿度50%前後というのはかなり乾燥していると感じるかもしれません。
これはあくまでも目安で、過度な湿気を続けないことが大事です。
実際には1日のなかで湿度はどんどん変わりますし、まずは湿度を意識することから始めてみてください。
とりあえず換気するだけでも結構違うので、畳の湿気を貯めないようにコントロールしていきましょう。
.png)
湿気が抑えらえるとカビも減るよ
畳の上のお布団や絨毯の扱いは要注意

畳のお部屋でお布団を敷きっぱなしにしたり、カーペットを重ねて敷くとか、やりがちなことがダニの温床につながります。
カビも生えたりするので、できるだけ止めるか続けて放置しないようにしましょう!
- 畳の上に絨毯を敷く
- 布団を敷きっぱなしで上げない
- 布団は干さずに押入れへ
- 部屋はいつも閉め切っている
- 洗濯物を部屋干しする
畳は空気中の水分を吸ってしまうので、湿気の含んだお布団をそのままにしておくのは危険です。
必ず、上げることと干して乾かしましょう。
カーペットや絨毯も重ねてしまうことが多いのですが、畳との空間に湿気やほこりが溜まりやすくなりダニ繁殖の定番場所になります。
本当は敷かないのがベストですがどうしても敷きたいこともあるでしょうし、こまめな掃除と換気、ダニ対策グッズの設置など対策は強化しましょう。
結局はこれらも湿気とホコリが溜まりやすくなるのが原因なので、清潔にするのが一番ですね。
今主流の畳はダニが繁殖しづらいけどなにも対策しないのはダメ

畳は本当にダニが繁殖しやすいのかについて解説しました。
一昔前まではダニ被害といえば畳だったのですが、最近の素材は繁殖しづらい環境にあります。
ですが、なにも対策をしなければ繁殖する場所ではあるので、普段から清潔に保ってダニが増えにくい環境を維持していきましょう。
- ダニが繁殖しやすいかどうかは素材や状態で違う
- 対策は駆除・掃除・予防の3ステップ
- 1年間を通じて対策を続ける
- 湿気対策は必須
- 対策に迷ったらゴリゴリ掃除機を掛ける
畳だからダニが繁殖しやすいではなくて、単純にダニが繁殖しやすい環境になるとダメってことが判っていただけたと思います。
そして、畳のダニ対策としてポイントは掃除機が最強です。
といっても毎日掃除は大変ですが、定期的に続けられる様に習慣化できるまではこつこつ自分のペースで取り組んでいきましょう。
.png)
最後までお読みいただきありがとうございました
コメント